ピーター

「なんとなく、池畑慎之介こと、ピーターに、エールを送る！」
こんな、エールがあったっけ・・・
今、私のバイト先の劇場では、「男の花道」という、作品が、公演中なのね。
主演は、池畑慎之介、ピーターでございます。
もろ、松竹、もろ新派って感じ。

そして、劇場の従業員の私達にまでTシャツを配り頑張っていらっしゃる、マネージャー始めスタッフの方々・・・
そして、何より、物凄い気合いで、今回の作品に取り組んでいるらしいピーター・・・
なにせ、客席の通路を使えば済む事なのに、強引に花道まで作っちゃってんだから。
いやあ、これは、盛り上がるでしょう、と思ったのも束の間・・・
いざ、幕が上がってみると、後から後から遅れ客ラッシュですの。
休憩中とかも、皆、歌舞伎座、演舞場のノリで食事に出かけちゃうし、行ったら行ったで、次の幕が始まった頃に戻って来る始末。はたまた、途中で帰ってしまう客も何人か・・・そのせいで、劇場の扉は、ばったんばったん開きっぱなし・・・
私はあんまり、そういう所に観に行ったりしないから、なんじゃこりゃ？って思ったンだけど、知ってる方達に言わせれば、こんなもんだよ、との事。
ふーん、そうなんだ。と、一度は納得したけど、いや、待て！と言う感じよね。
舞台上と客席の、この温度差は何なんだ！と。
ねえ、ピーター、これでいいの？
と思わず、聞きたく成っちゃうわよ。
どんな人達でも、お客様はお客様、そして、どんな立派な役者でも、役者は所詮、役者ふぜいなのか、と、ちょっと悲しくなっちゃった。
それでも、ピーターは頑張っているので、そんな彼にはやっぱりエールだなー、と思ったのでした。